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ご当地の銘酒 2026.08.01

青鹿毛 ― TWSC2025 麦焼酎の最高金賞と特別賞

宮崎県都城市の柳田酒造合名会社がつくる大麦焼酎「青鹿毛(あおかげ)」が、国内の蒸留酒品評会TWSC2025の焼酎・泡盛部門で最高金賞に選ばれました。あわせて、区分ごとに最高点の一本を選ぶ特別賞「ベストカテゴリー賞」にも、麦のアルコール度数25%以下の区分で選ばれています。大手の芋焼酎に押され、1978年に芋づくりをやめて麦焼酎の専門蔵になった、家族経営の蔵の一本です。

青鹿毛、TWSC2025で麦焼酎の最高金賞

宮崎県都城(みやこのじょう)市の柳田酒造合名会社がつくる大麦焼酎「青鹿毛(あおかげ)」が、TWSC2025の焼酎・泡盛部門で最高金賞に選ばれました。主催者が2025年5月30日付で公表した受賞結果一覧に、麦のカテゴリーの1本として、25.0%・720mlと並んで名前が載っています。

TWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)は、ウイスキー文化研究所(東京)が主催し、銘柄を伏せたブラインドで審査する品評会です。焼酎・泡盛部門はこの回に190点の出品があり、最高金賞に届いたのは20点。いずれも主催者が公表した数字です。(銅賞から最高金賞へと上がるTWSCの賞の序列は、用語解説(焼酎・泡盛編)にまとめています。)

青鹿毛には、メダルとは別枠の賞も贈られました。特別賞のひとつ、ベストカテゴリー賞です。カテゴリーごとに、審査員の採点がいちばん高かった一本に贈られる。主催者は特別賞の発表でそう説明しています。焼酎・泡盛部門でいうカテゴリーとは、芋・麦・米・黒糖・泡盛という5つの原料を、さらにアルコール度数25%以下と26%以上に分けた10の区分のこと。青鹿毛が最高点をとったのは、麦の25%以下の区分でした。

芋焼酎の土地で、麦を守ってきた蔵

柳田酒造があるのは、宮崎県の南西端、古くは薩摩藩の領地だった都城市です。市内でもっとも古い歴史を持つ焼酎蔵だと、一般社団法人ジャパンサケショウチュウプラットフォーム(JSP)の蔵元紹介は記しています。創業は1902年(明治35年)、いまの代表は5代目の柳田正さん。蔵の会社情報に、その年と代表者名が明記されています。

創業当時から蔵に伝わっていたのは、「千本桜」という芋焼酎でした。その製造をやめたのが1978年です。「大手の芋焼酎に押され、価格競争に飲み込まれそうになっていた当時、都城で一番歴史のある当蔵を残すための経営判断でした」。4代目が40歳だった年の決断を、5代目が公式サイトでそう振り返っています。柳田酒造は、ここから「むぎ焼酎専門蔵」になりました。

20代でエンジニアの仕事を辞め、蔵を継ぐと決めたとき、5代目が強く思ったのは「千本桜を復活させたい!」でした。世話になっている酒屋を回って復活を宣言すると、多くの店が歓迎してくれた。ただ、一軒だけ違いました。

「お父さんへの敬意を示すなら、まずはお父さんが一生懸命造り続けてきた、むぎ焼酎のブランドをしっかり受け継ぎ、守ることが先だ。それができた後に、新しいことができるのだ。」

叱ってくれたその酒屋の言葉は、いまも公式サイトに残っています。以来、5代目はひたすら麦焼酎を造り続けました。芋焼酎「千本桜」が戻ってきたのは、蔵を継いで10年、自身も40歳になった2013年。35年ぶりの復活でした。同じTWSC2025では、柳田酒造の芋焼酎「母智丘 千本桜 dazai」も金賞に入っています。

「家族経営の小さな蔵ですが、私たちは、先代から受け継いでいる『焼酎の味と思い』を守るという信念を貫くつもりです」。復活のいきさつを綴った文章は、その一文で結ばれます。

「赤鹿毛」に続いて生まれた青鹿毛

蒸留のときに熱の与え方を工夫し、自由に変更できる独自の蒸気の吹込み口をつくった。それで麦の甘さと焙煎香の表現が豊かになった。エンジニア出身の5代目の手仕事として、JSPの蔵元紹介がこの工夫を挙げています。

素朴で柔らかい味わいの麦焼酎を目指して試行錯誤を重ね、もろみの沸点と蒸留器を改造して完成させたのが「赤鹿毛」。公式サイトの商品説明が、その来歴を明かしています。青鹿毛は、その赤鹿毛に続いて、いくつもの醸造工程で工夫と調節を繰り返した末に、平成18年(2006年)に生まれました。出荷は4月と10月の年2回だけです。

どんな香りと味か

青鹿毛について、柳田酒造は「常圧蒸留で作られ、力強く奥深いコクと風味が特徴です」と紹介しています。豊かで伸びのある余韻は「洋酒にも負けない蒸留酒の香味が楽しめる」と酒呑みに好評だ、と説明は続きます。度数はアルコール25度、容量は1800mlと720ml。原材料は麦と麦麹で、すべて九州産の二条大麦です。

常圧蒸留は、蒸留機のなかのもろみに蒸気を当て、90〜100℃になるまで加熱する方法。原料の旨味やコク、風味をしっかり残せるのが特徴だと、日本酒造組合中央会の公式ガイドは書いています。一方、麦焼酎と米焼酎は、40〜50℃の低い温度で蒸留する減圧蒸留が中心。この対比も同じガイドが示しています。

麦本来の香ばしくも甘く、芳醇な香りが漂う。無濾過ならではの乳白色の濁りには旨味が詰まり、しっかりとした濃厚な厚みがある。麦焼酎とは思えないほど甘く柔らかな風味に、べっこう飴を思わせる甘味と優しい口当たり。飲み方は、香りと味わいがさらに増すお湯割りをいちばんに、口当たりとコクを愉しむならロック。香りと味わいの描写も、飲み方の提案も、取扱店・友添本店の商品ページが伝えています。

「常圧蒸留の芳醇な味わい、長期熟成による落ち着いた芳香が楽しめる」「飲みごたえのある麦焼酎」。九州酒市場の商品ページにある評です。

手に入れるには

気になった方は、まずつくり手である柳田酒造の公式サイトをのぞいてみてください。通年の「駒」「赤鹿毛」「母智丘 千本桜」に加えて、季節限定の顔ぶれも並んでいます。

青鹿毛は、販売店限定の商品です。「当蔵は、小売販売をしておりません。お近くの特約店をご紹介させていただきますので、当蔵製品の購入先につきましては、お問い合わせフォームをご利用下さい」。公式の商品ページには、そんな案内が添えられています。

購入は、特約店の店頭や、その一部が運営するオンラインショップから。取扱店では売り切れになっていることがあります(在庫は各店の表示時点)。

似た一本

同じTWSC2025の麦のカテゴリーからは、熊本県球磨郡湯前町の豊永酒造がつくる麦汁原酒44度も取り上げています。青鹿毛が25%以下、麦汁原酒44度が26%以上の区分で、それぞれベストカテゴリー賞を受けた一本です。

自分にとってのちょうどよさは適酒とはで触れています。飲んだ夜のひとことを残しておきたくなったら、マイドリのアプリが記録とふりかえりを手伝います。

青鹿毛

柳田酒造 ・ 720ml ・ 25度

※本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。価格・在庫はリンク先サイトでご確認ください。

出典:TWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)2025 焼酎・泡盛部門 受賞結果一覧(主催者公表・2025/5/30付/麦カテゴリーの最高金賞に「青鹿毛」〈柳田酒造・宮崎県・25.0%・720ml〉が載ること・その特別賞欄の表記が「ベストカテゴリー賞(26%未満)」であること・同じ麦カテゴリーの最高金賞に「麦汁 44度」〈豊永酒造・熊本県球磨郡〉があり、麦部門 BEST OF THE BEST と「ベストカテゴリー賞(26%以上)」を併せて受けていること・芋カテゴリーの金賞に「母智丘 千本桜 dazai」〈柳田酒造・宮崎県〉があること・最高金賞が全20点であること)、株式会社ウイスキー文化研究所 プレスリリース「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2025 洋酒部門、焼酎・泡盛部門の結果を発表」(焼酎・泡盛部門の出品が190アイテム・そのうち最高金賞が20アイテムであること・銘柄を非公開にしたブラインドテイスティングであること)、同 プレスリリース「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2025 特別賞発表」(2025年5月30日発表/ベストカテゴリー賞が「カテゴリーの中から、審査員約300名による審査結果で最高得点だったアイテムに贈られます」ものであること・焼酎・泡盛部門の受賞が芋・麦・米・黒糖・泡盛それぞれのUNDER25部門とOVER26部門の10区分であること・麦のUNDER25部門が「青鹿毛」〈柳田酒造〉であること・UNDER25部門がアルコール度数25%以下、OVER26部門が26%以上であること。受賞結果一覧の特別賞欄は「(26%未満)」と表記していますが、本文の度数の区分はこのリリースの定義〈25%以下〉によります)、柳田酒造合名会社 公式サイト 会社情報(創業1902年〈明治35年〉・代表者「5代目 柳田 正」・所在地〈宮崎県都城市早鈴町〉)、同 商品ページ「大麦焼酎 青鹿毛」および秋季限定商品のページ(「赤鹿毛」に続き平成18年に誕生した大麦焼酎であること・「常圧蒸留で作られ、力強く奥深いコクと風味が特徴です」・「洋酒にも負けない蒸留酒の香味が楽しめる」・年2回〈4月と10月〉の出荷・度数25度・内容量1800mL/720mL・原材料〈麦/麦麹〉・すべて九州産二条大麦を使用していること・「当蔵は、小売販売をしておりません。お近くの特約店をご紹介させていただきますので、当蔵製品の購入先につきましては、お問い合わせフォームをご利用下さい」)、同 通年商品のページ(「駒」「赤鹿毛」「母智丘 千本桜」が並ぶこと・赤鹿毛が「素朴で柔らかい味わいの麦焼酎を目指して試行錯誤を重ね、もろみの沸点と蒸留器を改造し完成させた大麦焼酎」であること)、同「『母智丘 千本桜』の復活」のページ(「千本桜」が1902年の創業当時から引き継がれてきた芋焼酎であること・1978年に4代目が40歳のとき芋焼酎の製造をやめ「むぎ焼酎専門蔵」になったこと・「大手の芋焼酎に押され、価格競争に飲み込まれそうになっていた当時、都城で一番歴史のある当蔵を残すための経営判断でした」・5代目が20代でエンジニアの仕事を辞めて蔵を継ぐ決意をしたこと・「千本桜を復活させたい!」と酒屋を回って宣言したこと・ある酒屋の言葉「お父さんへの敬意を示すなら、まずはお父さんが一生懸命造り続けてきた、むぎ焼酎のブランドをしっかり受け継ぎ、守ることが先だ。それができた後に、新しいことができるのだ。」・蔵を継いで10年、40歳になった年=2013年に35年ぶりに復活させたこと・「家族経営の小さな蔵ですが、私たちは、先代から受け継いでいる『焼酎の味と思い』を守るという信念を貫くつもりです」)、一般社団法人ジャパンサケショウチュウプラットフォーム(JSP)柳田酒造合名会社の蔵元紹介ページ(都城市が宮崎県の南西端で古くは薩摩藩の領地であったこと・市内で最も古い歴史を持つ焼酎蔵であること・「蒸留時に熱の与え方を工夫し、自由に変更できる独自の蒸気の吹込み口を製作したことで麦の甘さと焙煎香の表現が豊かになりました」・5代目がエンジニア出身であること)、日本酒造組合中央会「本格焼酎と泡盛ガイド」(常圧蒸留が「蒸留機の中のもろみに蒸気を当て、90〜100℃になるまで加熱する方法」であり「原料の旨味やコク、風味をしっかりと残せるのが特徴」であること・減圧蒸留が40〜50℃の低い温度で蒸留する方法で、麦焼酎・米焼酎はこちらが中心であること)、取扱店・友添本店 オンラインショップの商品ページ(「麦本来の香ばしくも甘く、芳醇な香りが漂います。無濾過ならではの乳白色の濁りには、旨味が詰まっており、しっかりとした濃厚な厚みを味わえます。麦焼酎とは思えないほどの甘く柔らかな風味と、べっこう飴を思わせる甘味、優しい口当たりが格別です。」・「お湯割りによって、個性ある香りと味わいがさらに増します。口当たりの良さ、コクを愉しむのなら、ロックがお勧めです。」)、取扱店・九州酒市場 オンラインショップの商品ページ(「常圧蒸留の芳醇な味わい、長期熟成による落ち着いた芳香が楽しめる」「飲みごたえのある麦焼酎」)

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