鹿児島県日置(ひおき)市吹上町に蔵を構える西酒造。創業は弘化2年(1845年)です。薩摩半島の西、東シナ海に近いこの地で、芋焼酎を中心に酒づくりを続けてきました。代表銘柄は芋焼酎「富乃宝山(とみのほうざん)」。近年は日本酒「天賦(てんぷ)」やシングルモルトウイスキー「御岳(おんたけ)」にも取り組んでいます。今回の主役は、この蔵の長期貯蔵秘蔵酒「天使の誘惑」です。
TWSCで、芋焼酎の頂点に
「天使の誘惑」は、国内の蒸留酒品評会TWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)2025の焼酎・泡盛部門で最高金賞に選ばれ、さらに芋焼酎のBEST OF THE BEST(部門最高賞)を受けました。TWSCはウイスキー文化研究所(東京)が主催し、銘柄を伏せたブラインドで審査する品評会です。焼酎は芋・麦・米・黒糖・泡盛と原料ごとに分けて審査され、BEST OF THE BESTは最高金賞のなかから選ばれる、各原料カテゴリーの頂点にあたります。(最高金賞やBEST OF THE BESTといったTWSCの賞の序列は、用語解説(焼酎・泡盛編)にまとめています。)
同じTWSC2025では、麦焼酎の頂点に熊本・豊永酒造の「麦汁原酒44度」が選ばれています。無濾過44度の原酒で麦の香ばしさを押し出した一本で、原料も度数も対照的な二本が、それぞれの原料カテゴリーの一番手に並びました。
「芋焼酎は長期熟成向きではない」を覆す
天使の誘惑は、芋焼酎をシェリー樽で10年寝かせた酒です。シェリー樽は、スペイン産の酒精強化ワイン・シェリーの熟成に使われた樽のこと。ウイスキーの熟成でも知られる樽に、芋焼酎を長く預けています。
西酒造はこの一本を「日本初の樽貯蔵芋焼酎」としています。「芋焼酎は長期熟成向きではない」という常識に対して、何年も試行錯誤を重ねて完成させた初の長期貯蔵芋焼酎だ、というのが蔵の説明です。原料は鹿児島県産のさつまいも「黄金千貫(こがねせんがん)」と国産米の米麹。焼きたてのようにみずみずしい仕込みの芋焼酎を、10年という歳月をかけて薄い琥珀色に育てています。
どんな香りと味か
天使の誘惑について、西酒造は「シェリー樽で10年寝かせた芋焼酎は、甘く香ばしい香りとなめらかで甘やかな口当たり」と紹介しています。度数はアルコール40度、容量は720mlです。
取扱店のはせがわ酒店は、薄い琥珀色に育った色あいに、ほのかな甘さと後に残る上品な旨みが調和して、芋本来の持ち味が感じられると伝えています。熟成が引き出した芋の新たな魅力や、シェリー樽で長く寝かせたことによるリッチな香味を挙げ、飲み方はストレートのほか、ソーダ割りもすすめています。
手に入れるには
気になった方は、まずつくり手である西酒造の公式サイトをのぞいてみてください。芋焼酎づくりの歩みや、天使の誘惑がどんな考えで生まれたかが伝わってきます。購入は、蔵の公式オンラインショップ「蔵直CLUB」から。会員向けの秘蔵酒として、数量をしぼって販売されていて、人気のため品切れになっていることがあります(在庫・販売条件は同店の表示時点)。公式で見つからないときは、正規の取扱店のオンラインショップでも扱われています。
受賞歴に惹かれて選ぶのもいいですし、日置という土地と、10年という時間をまるごと味わうつもりで開けるのもいい。ロックやストレートで香りを確かめてもいいし、ソーダで割って軽やかに楽しむのもよさそうです。飲んだ感想をマイドリのアプリにひとこと残しておくと、次の一本を選ぶときの手がかりになります。お酒との付き合い方そのものが気になったら、適酒とはものぞいてみてください。
出典:西酒造 公式サイト・公式プレスリリース〈PR TIMES〉(蔵の所在地〈鹿児島県日置市吹上町与倉〉・創業年〈弘化2年=1845年〉・代表銘柄〈富乃宝山ほか〉・商品の正式名〈長期貯蔵秘蔵酒「天使の誘惑」〉・シェリー樽10年貯蔵・アルコール40度・原料〈鹿児島県産 黄金千貫・国産米米麹〉・「日本初の樽貯蔵芋焼酎」の表現・味わいの公式説明文)、TWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)2025 焼酎・泡盛部門(最高金賞・芋焼酎 BEST OF THE BEST/ウイスキー文化研究所主催・ブラインド審査・原料カテゴリー別審査・賞の序列)、取扱店・はせがわ酒店オンラインショップ掲載の商品紹介文(薄い琥珀色・味わいの描写・容量720ml・飲み方)