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お酒を楽しむ 2026.07.08

ジンの主なコンクール ― 世界の評価とジャパニーズジンの広がり

ジンのラベルで見かける「World's Best」「Gold Outstanding」「最高金賞」といった受賞表示。ジンは世界中で親しまれるスピリッツで、世界にはWorld Gin AwardsやIWSCといった品評会があり、日本にもTWSC 洋酒部門という評価の場があります。近年はクラフト蒸留所の広がりとともに、和のボタニカルを使うジャパニーズジンが国際的に評価されるようになりました。世界から日本へと広がる主要なコンクールについて、特徴と賞の序列、代表的な受賞酒を紹介します。

ジンは、ジュニパーベリー(西洋ねずの実)を軸に、さまざまなボタニカル(草根木皮)を効かせて造る蒸留酒です。世界中で親しまれ、近年は小規模な造り手によるクラフトジンの広がりとともに、柚子・山椒・玉露・桜といった和のボタニカルを使うジャパニーズジンが国際的に評価されるようになりました。そのボトルに貼られた「World’s Best」「Gold Outstanding」「最高金賞」といった表示の多くは、世界や日本で開かれる品評会(コンクール)で与えられた評価です。

評価の場は、世界から見ていくとわかりやすくなります。ジン専門の国際品評会(World Gin Awards)に始まり、ワインとスピリッツを横断する世界最大級の品評会(IWSC)、そして日本の専門品評会(TWSC 洋酒部門)へと進みます。同じ「賞」でも、対象や審査するのが誰か、賞の呼び名や序列はコンクールごとに違います。

World Gin Awards

World Gin Awardsは、イギリスの出版社パラグラフ・パブリッシング(『Whisky Magazine』『Gin Magazine』の版元)が手がける、World Drinks Awardsの一角をなすジン専門の国際品評会です。まず国・スタイルごとに審査してその国の代表を選び、勝ち上がった各国の代表がスタイルごとに競って、世界最高の一本「World’s Best」を決めます。ロンドン・ドライやクラシック、コンテンポラリーといった造り・味わいの傾向に沿ってカテゴリーが分かれているのが特徴です。

賞は、各スタイルの世界最高「World’s Best」を最上位に置き、その下に国ごとの代表「Country Winner」、さらにその下にメダル(Gold・Silver・Bronze)が積み上がります。

  • World’s Best:各スタイルの世界最高。各国のCountry Winnerのなかから選ばれます。
  • Country Winner:国・スタイルごとに選ばれる、その国の代表。
  • メダル:Gold・Silver・Bronzeの3段階。

代表的な受賞酒

各スタイルの世界最高にあたるWorld’s Bestと、日本のCountry Winnerから、2025年の例を挙げます。

銘柄生産者(産地)受賞年
World’s Best London Dry GinThe StoreHawkridge Distillers(イギリス)2025
Country Winner(日本)ROKU〈六〉 Osaka Brilliance Editionサントリー(日本)2025

サントリーのROKU〈六〉は、柚子・桜・煎茶・玉露・山椒といった和のボタニカルを使うジンで、この年はその大阪限定エディションが日本の代表に選ばれました。

IWSC(インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション)

IWSC(International Wine & Spirit Competition)は、イギリス・ロンドンで開かれる、ワインとスピリッツを横断する世界最大級の品評会です。1969年に始まり、ウイスキーやジンと並んで世界中の酒が同じ舞台で評価されます。なかでもジンは出品数の多い部門のひとつで、2025年は20か国から出品が集まりました。採点は100点法で、点数によってメダルが決まります。

賞は、メダルの序列がわかりやすいのが特徴です。点数によってメダルが決まり、その上位に、部門ごとの頂点を選ぶトロフィーが置かれます。

  • メダル:Bronze → Silver → Gold → Gold Outstandingの順に上位。
  • トロフィー:高得点の酒を上級審査で選び直す、メダルの上位に位置づけられる賞。部門ごとに贈られます。

代表的な受賞酒

部門の頂点にあたるトロフィーから、2025年の例を挙げます。

銘柄生産者(産地)受賞年
Classic Gin TrophyThe Store GinHawkridge Distillers(イギリス)2025
Contemporary Gin TrophyFour Pillars Navy Strength GinFour Pillars(オーストラリア)2025

Classic Gin Trophyに輝いたThe Storeは、World Gin AwardsでもWorld’s Best London Dry Ginに選ばれており、2025年はふたつの品評会でジンの頂点に立ちました。

TWSC 洋酒部門

TWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)は、TWSC実行委員会が主催し、ウイスキー文化研究所(東京)が運営する、国内の酒類品評会です。日本の専門家が、銘柄を伏せたブラインドで審査します。洋酒部門はウイスキーやジン、ブランデーなどが対象で、なかでもジャパニーズジンの受賞が厚いのが近年の特徴です。

賞は、下からメダルが積み上がり、そのさらに上にカテゴリーごとの頂点を選ぶ賞が置かれています。

  • メダル:銅賞 → 銀賞 → 金賞 → 最高金賞の順に上位。
  • BEST OF THE BEST:最高金賞と金賞から選ばれたノミネートをもう一度ブラインドで審査し、カテゴリーごとに、いちばん点数が高かった一本に贈られる賞。国や地域を問わず、そのカテゴリーの一番を決めます。

代表的な受賞酒

カテゴリーの頂点にあたるBEST OF THE BEST、そしてジャパニーズジンの最高金賞から、2025年の例を挙げます。2025年のジャパニーズジンの最高金賞は6アイテムで、BEST OF THE BESTに選ばれた東京ドライジンもそのひとつです。

銘柄生産者(産地)受賞年
BEST OF THE BEST(ジャパニーズジン)東京ドライジンBlue Rabbit Distillery(日本・東京)2025
最高金賞(ジャパニーズジン)京都ジン 輪廻 オールドトム・ミケ松井酒造(日本・京都)2025
最高金賞(ジャパニーズジン)OSAKA GiN ORIJIN三國蒸溜所(日本・大阪)2025

3つのコンクールを一覧で

ここまでの内容を、一覧にまとめておきます。世界から日本へと、評価の場をたどる並びです。

コンクール開催地・主催位置づけ審査賞の序列(高い順)
World Gin Awardsイギリス(Whisky Magazine系/World Drinks Awards)ジン専門の国際品評会国・スタイル別 → 各国代表がスタイル別に決勝Country Winner → World’s Best
IWSCイギリス・ロンドン世界最大級の横断品評会ブラインド・100点法Gold → Gold Outstanding → トロフィー
TWSC 洋酒部門東京(TWSC実行委員会主催・ウイスキー文化研究所運営)日本の専門品評会日本の専門家によるブラインド最高金賞 → BEST OF THE BEST(カテゴリーごとに1本)

GoldやGold Outstandingという呼び名はいくつかのコンクールで共通しますが、その上の呼び名――World’s Best、トロフィー、BEST OF THE BEST――は、コンクールごとに違います。世界のスタイル別に頂点を選ぶ場、世界の酒と横並びで競う場、日本の専門家が利き分ける場と、評価の視点もそれぞれです。

賞は、その一本の背景や造りを知るためのひとつの手がかりです。その賞がどのコンクールの、どの段階の評価なのかがわかると、一杯の見え方が変わってきます。飲んだ夜のひとことはマイドリのアプリに、自分なりのちょうどよい一杯の話は適酒とはに。

出典:World Gin Awards 公式(worldginawards.com/Whisky Magazine系・World Drinks Awardsによる主催・国/スタイル別からの勝ち上がり・スタイル別のWorld's Bestの位置づけ・賞の序列〈Gold/Silver/Bronze・Country Winner・World's Best〉、および2025年 受賞〈World's Best London Dry Gin:Hawkridge Distillers「The Store」〈イギリス〉・Country Winner〈日本〉:サントリー「Roku Gin/Osaka Brilliance Edition」〉。なお標準品「ROKU〈六〉 The Japanese Craft Gin」は同年Gold)、International Wine & Spirit Competition 公式(iwsc.net/概要・ブラインド審査・100点法・メダルの序列〈Bronze/Silver/Gold/Gold Outstanding〉・トロフィーの位置づけ・2025年ジン部門は20か国が参加、および2025年 トロフィー〈Classic Gin Trophy:Hawkridge Distillers「The Store Gin」〈イギリス〉・Contemporary Gin Trophy:Four Pillars「Four Pillars Navy Strength Gin」〈オーストラリア〉〉)、TWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)公式・ウイスキー文化研究所発表(tokyowhiskyspiritscompetition.jp/TWSC実行委員会による主催とウイスキー文化研究所による運営・ブラインド審査・賞の序列〈銅賞/銀賞/金賞/最高金賞/BEST OF THE BEST〉・BEST OF THE BESTは最高金賞と金賞から選ばれたノミネートを二次審査し、国や地域を超えてカテゴリーごとのNo.1に与えられること、および2025年 洋酒部門 受賞〈BEST OF THE BEST〈ジャパニーズジン〉:Blue Rabbit Distillery「東京ドライジン」〈日本・東京〉=最高金賞も同時受賞・最高金賞〈ジャパニーズジン〉は6アイテムで、本記事の表はそのうち松井酒造「京都ジン 輪廻 オールドトム・ミケ」〈日本・京都〉・三國蒸溜所「OSAKA GiN ORIJIN」〈日本・大阪〉を例として挙げたもの〉)。各銘柄の受賞内容は各蒸留所・生産者公式の情報を含む。※IWSCの2026年はメダルのみ発表済みでトロフィーが未発表のため、World Gin Awards・IWSCとも2025年の結果を採用しました。各コンクールの一部の点数しきい値・部門構成など、公式サイト上で数値・名称が確認できなかった項目は本記事では扱っていません。

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