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ご当地の銘酒 2026.07.14

琉球泡盛 多幸山25度 ― Kura Master 2025で泡盛部門プラチナ賞。首里発祥、泡盛復興の蔵が琉球村で迎えた新章。

沖縄県恩納村、テーマパーク「琉球村」の敷地に蔵を構える咲元(さきもと)酒造がつくる「琉球泡盛 多幸山(たこやま)25度」。フランス・パリで開かれる本格焼酎・泡盛のコンクール、Kura Master 2025の泡盛部門でプラチナ賞を受けました。明治35年(1902年)に首里で創業し、戦後の泡盛復興を担った老舗が、2020年の琉球村への移転を機に生んだ新シリーズの一本です。

沖縄本島の西海岸、恩納村字山田にあるテーマパーク「琉球村」。その施設のなかに蔵を構えるのが咲元酒造です。創業は明治35年(1902年)4月。初代・佐久本政明(さくもと・まさあき)が、首里三箇(さんか)のひとつ鳥堀(とりほり)で「佐久本酒造場」として泡盛づくりを始めました。いまは四代目の佐久本啓(さくもと・けい)さんが代表を務め、平成27年(2015年)7月に就任しています。今回の主役は、この蔵の新シリーズ「多幸山(HAPPY MOUNTAIN)」の一本、25度です。

Kura Master 2025で、泡盛部門プラチナ賞

「琉球泡盛 多幸山25度」は、2025年のKura Master 泡盛部門でプラチナ賞を受けました。Kura Masterは、フランス・パリで開かれる本格焼酎・泡盛のコンクールです。フランス人のソムリエやレストラン関係者が、ラベルを伏せたブラインドの状態で一本ずつ利き分けます。日本の外の売り手・出し手のプロが泡盛をどう味わうか――その舞台で、恩納村の一本がプラチナ賞に選ばれました。(金賞・プラチナ賞といったKura Masterの賞の序列は、用語解説(焼酎・泡盛編)にまとめています。)

首里発祥、泡盛復興を担った蔵

咲元酒造の歩みは、そのまま沖縄の泡盛の歴史と重なります。創業の地・首里は、琉球王国の時代から泡盛づくりが許された数少ない場所でした。その一角、鳥堀で蔵は生まれています。

流れが大きく揺れたのが、太平洋戦争末期の沖縄戦です。首里一帯は激しい被害を受け、蔵も無事ではいられませんでした。それでも二代目は、昭和21年(1946年)に酒造りに着手し、「首里酒造廠(しょう)」として再スタートを切ります。黒麹菌から泡盛づくりを立て直した、戦後復興の歩みです。

咲元酒造の多幸山は「琉球泡盛」を名乗ります。泡盛といえば沖縄の酒、と思われがちですが、法律上は製法さえ守れば沖縄以外の地域でも泡盛を造ることができ、実際にかつては県外でつくられ商品化された歴史もあります。だからこそ、県外産と区別して沖縄産であることを示すために「琉球泡盛」という産地名の呼び名が設けられました。「琉球」は1995年に酒類の地理的表示(GI)に指定され、いまは沖縄県内でつくられた泡盛だけがこの名を名乗れます。

琉球村への移転と「多幸山」という名前

長く首里で酒を醸してきた咲元酒造ですが、令和2年(2020年)7月、工場の老朽化を機に恩納村字山田の琉球村へ移転しました。同年11月から新工場での製造が始まっています。首里を離れても、酒づくりの中身は途切れていません。首里工場で仕込み、仕次ぎ(しつぎ)で貯蔵していた泡盛を、新しい工場が受け継いでいます。

移転を記念して、2023年に生まれたのが新シリーズ「多幸山(HAPPY MOUNTAIN)」です。名前は、琉球村のある山田一帯の地名「多幸山(たこやま)」にちなみます。字をそのまま読めば「多くの幸い」。英語の「HAPPY MOUNTAIN」を重ねて、縁起のよい土産にもなる一本に仕立てました。シリーズには度数や熟成の違いでいくつかの種類があり、今回プラチナ賞を受けたのは、そのうちの一般酒25度です。

どんな香りと味か

多幸山25度について、咲元酒造は公式オンラインショップで「飲みやすい度数で、炭酸割りにぴったり」「軽やかでスッキリとした味わい」と紹介しています。取扱店の琉球村共同売店オンラインショップは、「首里工場で製造・仕次ぎ貯蔵した泡盛を新工場に継承」した一本で、「のど越しがスムーズでマイルドな泡盛」と伝えています。飲み方としては、泡盛・水・炭酸水を1対1対1で合わせる強炭酸割りをすすめています。

この25度は、Kura Masterの泡盛部門でプラチナ賞を受けています。フランスの利き手がブラインドで上位に押した一本です(Kura Masterは銘柄ごとの講評文を公表していないため、審査員の言葉としての味の描写はここでは載せません)。軽やかでマイルド、という二つの声は、炭酸で割って料理に合わせる飲み方とも自然に重なります。

手に入れるには

気になった方は、まずつくり手である咲元酒造の公式サイトをのぞいてみてください。首里からの歩みや、多幸山がどんな考えで生まれたかが伝わってきます。購入は、蔵の公式オンラインショップから。人気のため、品切れになっていることがあります(在庫は各店の表示時点)。琉球村共同売店オンラインショップなど正規の取扱店でも扱われていて、こちらでは720ml・3,135円(税込)で並びます(価格・容量は同店の表示時点)。公式オンラインショップと取扱店で容量に幅があるので、飲みきりやすい量から選ぶのもよさそうです。

受賞歴に惹かれて選ぶのもいいですし、恩納村・琉球村という土地ごと味わうつもりで開けるのもいい。度数が控えめな一般酒なので、炭酸で割って食卓に合わせながら、自分にちょうどいい濃さを探すのに向いた一本です。飲んだ感想をマイドリのアプリにひとこと残しておくと、次の一本を選ぶときの手がかりになります。お酒との付き合い方そのものが気になったら、適酒とはものぞいてみてください。

出典:咲元酒造 公式サイト・会社概要・公式オンラインショップ(蔵の所在地〈沖縄県恩納村字山田・琉球村施設内〉・創業年〈明治35年=1902年〉・初代 佐久本政明・四代目 佐久本啓〈2015年7月就任〉・戦後の再スタート〈1946年・首里酒造廠〉・琉球村への移転〈2020年〉・多幸山シリーズ・25度の味わいの紹介文)、Kura Master 公式(2025年 泡盛部門プラチナ賞 受賞酒〈咲元酒造「琉球泡盛多幸山25度」〉・フランス人専門家によるブラインド審査)、沖縄県酒造組合 公式(酒類の地理的表示〈GI〉「琉球」の指定〈1995年〉・琉球泡盛の産地表示。ならびに公式解説「琉球泡盛の証」=法律上は製法を守れば沖縄県外でも泡盛を製造でき、かつて県外でつくられ商品化された歴史があること、県外産と沖縄産を区別するために産地表示の取り決めがなされた経緯)、取扱店・琉球村共同売店オンラインショップ掲載の商品情報(720ml・価格・のど越し/飲み方の紹介文)ほか取扱店オンラインショップ掲載情報(多幸山シリーズの発売年〈2023年〉・シリーズ名の由来)

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