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ご当地の銘酒 2026.07.06

高砂 山廃純米大吟醸 愛山 ― Kura Master 2026 金賞。富士山の伏流水と能登杜氏の山廃、天保元年創業の蔵が幻の酒米で醸した一本。

静岡県富士宮市の富士高砂酒造がつくる「高砂(たかさご)」。17年ぶりに幻の酒米「愛山」で醸した「山廃純米大吟醸 愛山」が、フランスの日本酒品評会Kura Master 2026のクラシック酛部門で金賞を受けました(2026年5月11日 蔵公式発表)。天保元年(1830年)創業、富士山の超軟水と能登杜氏の山廃仕込みを代々守ってきた蔵の、いま最も注目の一本を紹介します。

静岡県富士宮市の富士高砂酒造がつくる「高砂(たかさご)」。その一本、17年ぶりに幻の酒米で醸した「山廃純米大吟醸 愛山」が、フランスの日本酒品評会Kura Master 2026のクラシック酛部門で金賞を受けました。天保元年(1830年)創業、富士山の超軟水と能登杜氏の山廃仕込みを守り続けてきた蔵の、いま最も注目の一本を紹介します。

Kura Master 2026、クラシック酛部門で金賞

今回の主役「高砂 山廃純米大吟醸 愛山」は、2026年4月27日にフランス・パリで開かれたKura Master 2026のクラシック酛部門で金賞に選ばれました。蔵はこの受賞を2026年5月11日に公式サイトで報告しています。Kura Masterは、フランス人のソムリエやミシュラン星付きレストランの関係者といった現地のプロが審査員を務め、ラベルを伏せたブラインドの状態で一本一本を利き分ける、「フランス人によるフランス人のための」日本酒コンクールです。100点満点で採点され、80〜92点が金賞、93〜100点がプラチナ賞。2026年の総出品数は1,252点にのぼりました。(金賞・プラチナ賞・審査員賞といったKura Masterの賞の序列は、用語解説(日本酒編)にまとめています。)

金賞を受けたクラシック酛部門は、生酛や山廃といった、乳酸を人の手で加えず時間をかけて酒母を育てる伝統的な造りの酒を競う部門です。まさに、この蔵が代々守ってきた山廃仕込みが、正面から評価される舞台でした。

この「愛山」の評価は、これが初めてではありません。前年のミラノ酒チャレンジ2025でも、蔵の発表によれば純米大吟醸の審査でプラチナ賞に選ばれています。幻の酒米で醸したこの一本は、海外の舞台で続けて名を呼ばれてきた、蔵の看板の一つです。

どんな酒か ― 17年ぶりに醸された幻の酒米「愛山」

高砂 山廃純米大吟醸 愛山は、その名のとおり、「幻の酒米」とも呼ばれる愛山を全量に使い、山廃仕込みで醸した純米大吟醸です。愛山は、溶けやすく味の出が良いとされる希少な酒米。栽培も醸造も手間がかかることから、扱う蔵はそう多くありません。富士高砂酒造では、この愛山での酒造りを17年ぶりに再開して、この一本を世に出しました。米は45%まで磨き上げています。

どんな香りと味か

味わいについては、独自の言葉で飾らず、つくり手・日本酒メディア・取扱店の声をそのまま並べてみます。

つくり手の富士高砂酒造は、この酒を「希少酒米『愛山』を全量使用し、伝統的な山廃仕込みによる奥深い味わいと、果実を思わせるジューシーな甘み、優雅で濃厚な旨味が調和した一本」と紹介しています。発売時には「まろやかな甘みと程よくまとったほのかな酸味が織りなす極上の味わい」とも表現していました。

日本酒メディアの酒蔵プレスは、この蔵の山廃について「東北・北陸地方の酸の効いた濃醇な山廃酒と比べると、当蔵の風味は大人しく優しい口当たりでほのかに甘さを感じる酒質」と紹介しています。富士山の超軟水が生む、やわらかな山廃という蔵の個性がうかがえます。

取扱店の日本酒博物館は、この愛山を「まったりとした甘みを感じさせながらも、酸味と苦味がほどよいスパイスとなり、絶妙なハーモニーを奏でます」と紹介しています。

ジューシーな甘み、やわらかな口当たり、そしてほどよい酸――つくり手も、メディアも、店の人も、そろって甘みと酸のバランスに触れています。

富士山の伏流水と、天保元年からの能登杜氏の山廃

高砂を醸す富士高砂酒造は、天保元年(1830年)の創業。初代・山中正吉翁が、富士山本宮浅間大社にほど近いこの地で蔵を構えました。以来、静岡県富士宮市宝町で、富士山とともに酒を醸し続けてきた蔵です。

この蔵の酒づくりの核にあるのが、仕込み水です。使うのは、100年かけて自然の濾過を施されたという富士山の伏流水。ミネラルの少ない超軟水で、口当たりのやさしい、ほのかに甘みを感じる酒質は、この水から生まれます。東北や北陸の濃醇な山廃とはまた違う、大人しく優しい山廃――その個性の源が、富士山の水です。

もう一つの柱が、山廃仕込みです。富士高砂酒造では、代々の能登杜氏の伝承技術によって、蔵に棲む乳酸菌の力を借り、長い時間をかけて酒母を育てる山廃仕込みを守ってきました。手間も時間もかかる古い造りですが、原料米の旨味が生かされ、蔵独自の風味が形づくられます。富士山の超軟水と、能登杜氏の山廃――この二つが重なったところに、「愛山」の一杯があります。天保元年から続く蔵の水と技を、フランスの舞台が金賞という形で認めた、ということになります。

手に入れるには

気になった方は、まずつくり手である富士高砂酒造の公式サイトをのぞいてみてください。富士山の伏流水と山廃仕込みへのこだわり、会社の歩み、Kura Master 2026の受賞報告が紹介されています。

高砂 山廃純米大吟醸 愛山は、愛山100%、精米歩合45%。容量は720mlで、取扱店の蔵元直送ショップでの価格は税込3,449円ほどでした(在庫・価格は各店の表示時点で変わります)。人気の一本のため、タイミングによっては入荷待ちになることもあります。最新の取扱は公式サイトで確かめてみてください。

公式では、冷やでも常温でも楽しめる一本として紹介されています。飲んだ夜のひとことはマイドリのアプリに、自分なりのちょうどよい一杯の話は適酒とはに。富士山の水が育てた金賞の一本を、いつか、自分の温度で。

高砂

富士高砂酒造 ・ 720ml

出典:富士高砂酒造 公式サイト(会社概要の創業年〈天保元年・1830年〉・初代山中正吉翁・所在地・富士山伏流水〈超軟水〉・能登杜氏の伝承技術・山廃仕込みの記述、Kura Master 2026受賞報告ページ〈クラシック酛部門 金賞・受賞銘柄・蔵のコメント・パリでの開催・報告公開日〉、新商品『愛山』発売の案内〈幻の酒米・17年ぶりの醸造再開・味わいの紹介〉)、SAKETIMES「Kura Master 2026」速報(発表・審査の枠組み・採点基準・総出品数)、酒蔵プレス(蔵の山廃の味わい紹介)、日本酒博物館 掲載の商品情報(味わいの紹介文・使用米・精米歩合・容量・価格)、ミラノ酒チャレンジ2025の受賞(富士高砂酒造の発表による「愛山」のプラチナ賞)。

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