「浜千鳥乃詩 ゴールド」、Kura Master 2025でプレジデント賞
奄美大島酒造(鹿児島県大島郡龍郷町)の黒糖焼酎「浜千鳥乃詩(はまちどりのうた)ゴールド」が、Kura Master 2025 本格焼酎・泡盛コンクールでプレジデント賞に選ばれました。発表は2025年9月24日です。
Kura Masterは、フランス・パリで開かれる本格焼酎・泡盛のコンクールです。主催はAssociation de Kura Master。フランスやヨーロッパのソムリエ、レストラン関係者が、ラベルを伏せたブラインドで一本ずつ利き分けます。2025年の審査には、MOFを持つソムリエ7名を含む総勢135名が加わりました(同じ日に同じ会場で開かれた日本酒コンクールと合わせた人数です)。MOFは「国家最優秀職人章」と訳される称号で、1935年からフランスの国家資格として認められています。対象は200を超える手仕事の職種にわたり、その道で高い技能を身につけたことを証明するものです。
本格焼酎・泡盛コンクールには、8つの部門に162銘柄が出品されました。プレジデント賞は、その全部門の頂点にあたる、その回にただ1点の賞です。(プラチナ賞やプレジデント賞といったKura Masterの賞の序列は、用語解説(焼酎・泡盛編)にまとめています。)
龍郷町の蔵、奄美大島酒造の歩み
奄美大島の北部、龍郷(たつごう)町浦に蔵はあります。昭和45年(1970年)、末広商会から製造免許を譲り受け、奄美大島酒造として歩み始めました。最初の銘柄は「神泉」で、のちに「浜千鳥」が加わります。いま看板になっているのは、平成2年(1990年)に出した樫樽熟成の「高倉」と、平成10年(1998年)に出した減圧蒸留の「じょうご」です。
名瀬(現・奄美市)から龍郷町へ工場を移したのは、昭和57年(1982年)。理由は水でした。「じょうご川」の地下120メートルから自社のポンプで汲み上げる天然の地下水を、仕込みにも割り水にも使っています。あまみ大島観光物産連盟の取材に、工場長の吉元厚夫さんは、じょうごとは屋入川の上流部のことで、奄美でいちばんおいしい水といわれている、と話しています。
黒糖は、すべて奄美大島産の純黒糖です。収穫量は年によって揺れますが、同じグループの製糖工場と組むことで、地元産だけでまかなう体制をとっています。
黒糖焼酎は、なぜ奄美群島でしか造れないのか
黒糖を原料にした本格焼酎を造れるのは、いまも奄美群島だけです。その線引きは、酒税のかけ方をめぐる戦後のやりとりから生まれました。
昭和28年(1953年)12月25日、奄美群島は米国の統治下から日本へ復帰します。本土の酒税法が適用されれば、黒糖を原料にした蒸留酒はラム酒と同じスピリッツに分類され、焼酎より高い酒税がかかることになります。地元の大島酒造業組合は、本土並みの酒税の適用と黒糖の使用許可を求めて陳情し、これが認められました。条件は、米麹を併用すること。こうして奄美群島に限って、黒糖焼酎の製造が許されました。
だから黒糖焼酎の原材料には、黒糖と並んで必ず米麹があります。浜千鳥乃詩 ゴールドも同じで、蔵の銘柄紹介には原材料「黒糖、米こうじ」と記されています。
黒糖を溶かして仕込み、2年以上寝かせる
蔵の製法の説明は、麹づくりから始まります。蒸した米に種麹をまいて培養し、麹と水と酵母だけで一次仕込み。二次仕込みでゆっくり糖化させて米の旨みを引き出し、そこへ蒸気で溶かした黒糖を加えて三次仕込みへ移ります。二週間ほどかけて発酵させ、常圧と減圧の二通りの方法で蒸留します。
できた酒はすぐには売りません。貯蔵は最低2年、長いもので7年。2年に満たない酒は出荷しない、というのが蔵の基本方針です。
浜千鳥乃詩 ゴールドは、そのなかでもとくに時間をかけた一本です。取扱店の浜千鳥館によれば、ハイグレードな原酒をステンレスタンクで3年熟成させたあと、さらに樫樽で寝かせています。
どんな香りと味か
度数はアルコール40度です。味わいについて、取扱店の焼酎維新館は、樫の香りと、熟成が生むまろやかさを挙げています。飲み方は、焼酎維新館も浜千鳥館もストレートかロックをすすめています。
手に入れるには
気になった方は、まずつくり手である奄美大島酒造の公式サイトをのぞいてみてください。黒糖焼酎がたどってきた歴史や、麹づくりから出荷までの工程が順に読めます。
蔵では工場見学を受け付けています。見学したいときは事前に問い合わせてください。受付は平日の10時・14時・16時です。隣接する物産館「浜千鳥館」には、黒糖焼酎の試飲と販売のコーナーがあります。運営は奄美山羊島観光で、オンラインショップも開いています。
購入は、浜千鳥館や焼酎維新館といった取扱店のオンラインショップから。容量は、蔵の銘柄紹介では720ml、取扱店のオンラインショップでは750mlと案内されています(価格は浜千鳥館が税込3,960円、焼酎維新館が税込4,014円。容量・価格は各表示時点のものです)。取扱店では売り切れになっていることがあります。
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出典:奄美大島酒造 公式サイト(jougo.co.jp/会社概要〈商号・所在地=鹿児島県大島郡龍郷町浦1864-2〉、歴史ページ〈昭和45年に末広商会から製造免許を譲り受けて創業・昭和57年の龍郷町への工場移転・平成2年「高倉」発売・平成10年「じょうご」発売・銘柄の変遷・昭和28年の日本復帰時に米麹を使うことで本格焼酎として認められた経緯〉、こだわりページ〈奄美大島産純黒糖の使用・じょうご川の地下120メートルの天然地下水・グループの製糖工場との連携〉、製法ページ〈製麹から一次・二次・三次仕込み、黒糖の溶解、常圧と減圧の蒸留、最低2年最長7年の貯蔵と2年以下は出荷しない方針〉、銘柄紹介ページ〈浜千鳥乃詩 ゴールドの原材料「黒糖、米こうじ」・アルコール分40%・内容量720ml〉)、Kura Master 公式(2025年 本格焼酎・泡盛コンクール プレジデント賞〈奄美大島酒造「浜千鳥乃詩 ゴールド」〉・発表日〈2025年9月24日〉・8部門162銘柄・MOFソムリエ7名を含む総勢135名の審査員・ブラインド審査)、Meilleurs Ouvriers de France 公式(MOF=国家最優秀職人章が1935年から国家資格として認められていること・200を超える手仕事の職種が対象であること)、日本酒造組合中央会「本格焼酎と泡盛」コラム(昭和28年12月25日の奄美群島の日本復帰・大島酒造業組合の陳情・米麹の併用を条件とした奄美群島限定の黒糖焼酎製造の許可・認められなければスピリッツとして高い酒税が課されていた経緯)、鹿児島県酒造組合 蔵元紹介(蔵の所在地・浜千鳥館が蔵に隣接すること・工場見学の受付時間〈平日 10時・14時・16時〉)、龍郷町 公式サイト(浜千鳥館の紹介ページで黒糖焼酎工場の見学を「要予約・無料」とし、団体・個人とも要予約と案内していること・仕込み水の紹介)、一般社団法人あまみ大島観光物産連盟(じょうご川の地下120メートルからの汲み上げ・工場長 吉元厚夫さんの言葉)、取扱店・焼酎維新館オンラインショップ掲載の商品情報(樫の香りと熟成のまろやかさ・飲み方・容量750ml・価格)、浜千鳥館オンラインショップ掲載の商品情報(ステンレスタンクでの3年熟成と樫樽熟成・飲み方・容量750ml・価格・運営者=奄美山羊島観光株式会社)