ロング缶のビールと、350mlの缶チューハイ。アルコールが多いのは、どっちだと思いますか。答えは次の節で。数字は、自分を責めるためのものではなくて、ただ「気づく」ための、ちょっとした道具です。お酒の量(ml)ではなく、中身(g)で見てみる。その入り口を、のぞいてみます。
同じ「1杯」でも、中身は違う
さっきの答えです。ビール500ml(5%)は約20.0g、缶チューハイ350ml(9%)は約25.2g。液体の量は150mlも少ないのに、純アルコールは5.2gぶん、缶チューハイのほうが多いのです。グラスの大きさだけ見ていると、ここは見えてきません。お酒の量(ml)だけでなく、その中の純アルコール量(g)に目を向けてみると、いつもの一杯の景色が少し変わります。
数え方は、かけ算ひとつ
数え方は、意外とシンプルです。
純アルコール量(g) = 摂取量(ml) × 度数(%)/100 × 0.8
最後の0.8は、アルコールの比重です。たとえばビール500ml(5%)なら、500 × 0.05 × 0.8 = 20.0g。電卓で一度なぞってみると、感覚がつかめてきます。
早見表:身近なお酒のグラム
| お酒 | 量 | 度数 | 純アルコール量 |
|---|---|---|---|
| ビール(ロング缶・中瓶) | 500ml | 5% | 約20g |
| 缶チューハイ(高アルコール) | 350ml | 9% | 約25g |
| 缶ビール(普通) | 350ml | 5% | 14.0g |
| ハイボール | 350ml | 7% | 約20g |
| ワイン(グラス1杯) | 120ml | 12% | 約12g |
| 日本酒(1合) | 180ml | 15% | 約22g |
| 焼酎(25度・0.5合相当) | 90ml | 25% | 18.0g |
| ウイスキー(シングル) | 30ml | 40% | 約10g |
度数は商品で変わるので、これは一般的な目安です。気になるときは、缶の表示の度数を、さっきの式に入れてみてください。
あなたの「いつもの一杯」で、やってみる
足し算もできます。ワインを2杯なら、約12g × 2 = 約24g。日本酒1合のあとにウイスキーをシングルで、なら約22g + 約10g = 約32g、というふうに。もう一度、式はこれだけです——摂取量(ml) × 度数(%)/100 × 0.8。
ただ、同じグラム数でも、効き方は人それぞれです。女性は一般に男性より少量で影響を受けやすいと言われますし、年を重ねると同じ量でも酔いやすくなることも。お酒で顔が赤くなる体質の人も、日本では約41%いるそうです。数字は、みんなで使える共通のものさし。ちょうどよさは、たぶんその先にあります。
数えられると、何が変わるか
リスクを考えるときの目安のひとつに、1日あたり純アルコールで男性40g以上、女性20g以上、という数字があります。ただしこれは、個々人の許容量を示すものでも、「これ以下なら安全」という線引きでもありません。一般に、純アルコール量が少ないほどリスクは小さいとされ、少量でもリスクが上がるものもあると言われています。だから数字は、ひとつの参考。にらめっこする相手ではありません。
毎回きっちり計算しなくても、大丈夫です。「今日はだいたい20gくらいかな」と、ざっくり残しておくだけで十分。その小さな積み重ねが、自分の「いつもの量」の見当を、少しずつ形にしてくれます。数えることと、残しておくこと。その手間は、アプリにそっと預けてしまう手もあります。